終わりなき戦に花束を
「小雪さん、お待たせしてすいません」
「いいよ!じゃあ行こうか」
玄関で待っていた小雪は翠をまじまじと見る。
「…翠ちゃんっておしゃれとかしないの?」
「…え?」
翡翠は自分の格好を見直してみる。
いつ敵に動きがあるかわからないので、二人とも隊服に身を包んでいる。
そこは共通だ。
しかし、小雪はいつも横で結わえている髪を項あたりで結わえ、キレイな髪飾りでとめていた。
翡翠はさっきとなんの変わりない。
「…そんな、髪とか気にしたことないんで…」
「そっかぁ、やっぱ髪の色とか気にしてたから?」
「…はい」
翡翠はうつむくとそれ以上は何も言わなかった。
「――…翠ちゃん、行こうか」
「え?」
「翠ちゃんに似合う髪飾りとかもあるよきっと!」
「あ、ちょっ…!」
素早く翡翠の手を取ると、小雪は外へ出た。