終わりなき戦に花束を
小雪の後を追い、雑貨屋へ入った翡翠。

が、入ったのはいいものの、何から見ればいいのかわからずオドオドする。

取り敢えず近くから順に見ていくが、櫛や簪にあまり興味がない翡翠は
ただ流れ作業のように見るだけだ。

しばらくして、小雪が翡翠を呼ぶ声が聞こえた。

「あ、翠ちゃん!こっちー」

「あ、はいッ…」

小雪が手招きする方へ行くと、小雪は手に何かを持っていた。

「えっと…これは…」

「おそろいの髪飾り。翠ちゃんも私も髪長いから結わえる時につけられるでしょ?」

髪を結わえる紐に、桃色の蝶の形の飾りがついたそれ。

いたってシンプルだったが、翡翠はとても綺麗に見えた。

「他のも見る?」

小雪が言うと、翡翠は首を横に振った。

「これでいいです。…これが、いいです。」

「!…うん!じゃあこれは私からの贈り物として翠ちゃんに買うよ。」

「え、でも…」

「私と翡翠ちゃんの友情の証!ってことで、ね?」

「あ、ありがとうございます…」

友情、という言葉の響きが嬉しくなり、翡翠は少し微笑んだ。
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