終わりなき戦に花束を
総悟side

小雪という女と話し終わると、俺は飛び出していった女を追いかけた。

そいつは庭で桜を見ていた。
風が吹き、フードが取れる。



「―――っ!」

その瞬間、俺は目を見開いてしまった。

白く透き通った肌。金色の瞳。整った顔立ち。
長く綺麗な薄紅色の髪が揺れる。

まるで天使のよう、というのにふさわしい姿だった。

俺に見られていることに気づいたのか、そいつはまたフードをかぶり直す。
後ずさりする様子から、警戒されている、とわかった。


「(もったいねぇ・・・なんで隠すんだ)」

俺が近づき、声をかけようとすると


「・・・近づかないで」

小さな声でそう言われた。


「なんでですかィ?」

率直に聞いてみると、女は質問に答えず、俺の脇を通り過ぎていった。



「フード取りゃあいいのにねェ・・・」

残された俺は、桜を見上げ呟いた。

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