花火の夜の甘い蜜
課長はもう少し自分の影響力を考えたほうがいいと思う。
赤くなっている顔を隠そうと俯くと、窓の縁に課長の手が置かれるのが見えた。
「…鈴本」
課長が私を閉じ込めるように両手を縁にかけた。
私の両腕のすぐ近くに課長の腕があって、シャツ同士が触れる小さな動きさえ、私の鼓動を乱した。
「かちょ…う?」
すぐ後ろに、課長を感じる。
顔が熱い。背中も熱い。
課長は私に触れていないのに、身体が勝手に熱を帯びる。
「…嫌なら、つきとばしてくれ」
かすれた声が、私の耳を撫でた。
肩に、課長のサラリとした髪がかかった。
手も顔も、私に触れないギリギリのところにある。
痛いくらい、心臓が鳴っている。
「もしかしたら」という思いと、「からかわれてるのでは」という不安でどうにかなりそうだ。
赤くなっている顔を隠そうと俯くと、窓の縁に課長の手が置かれるのが見えた。
「…鈴本」
課長が私を閉じ込めるように両手を縁にかけた。
私の両腕のすぐ近くに課長の腕があって、シャツ同士が触れる小さな動きさえ、私の鼓動を乱した。
「かちょ…う?」
すぐ後ろに、課長を感じる。
顔が熱い。背中も熱い。
課長は私に触れていないのに、身体が勝手に熱を帯びる。
「…嫌なら、つきとばしてくれ」
かすれた声が、私の耳を撫でた。
肩に、課長のサラリとした髪がかかった。
手も顔も、私に触れないギリギリのところにある。
痛いくらい、心臓が鳴っている。
「もしかしたら」という思いと、「からかわれてるのでは」という不安でどうにかなりそうだ。