君の肌に口づけを
私の幼馴染みは顔はいいが、少しひねくれている。と言えば聞こえはいいけれど端的に言えば性格が悪い顔がいい奴なのだ。
どんなことにも難癖をつけてくる迷惑な人でもある。
でも、学校や表ではニコニコとしていて人気もあり信頼もあり、こんな人間だと知っているのはお隣さん私くらい。
幼馴染みの特権は、ちょっとした優越感でもある。
「じゃあ、なんて言われたいわけ?」
痺れを切らした私は顔をあげて、彼を見る。また視線が合って、どきりと胸が鳴る。
「いつの間にか好きでした。恋は盲点、あばたもえくぼ。短所も長所も全てを好きになりました」
「意外とロマンチストなんだ?」
少しくらい顔が赤くなれば可愛いげがあった。言葉が詰まることもなく皮肉しか言えないなんて、なんて可愛くないんだろう。