愛は、つらぬく主義につき。
「・・・・・・あたしは。今までだってこれからだって、何かをガマンしてあんたと居るワケじゃないの。他人を羨ましいって思うコトだって絶対ない。そんな薄っぺらい気持ちであんたを愛してるって思ってんなら、本気で赦さないわよ・・・っっ」
顔を背けて黙ったままの遊佐に、あたしは込み上がる悔しさを感情のままにぶつけ続けた。
「脚が動かなくなったって、あんたの為に生きられるってだけでシアワセなの。何もしてやれないってなにが? あんたがずっと、あたしの傍で笑ってくれて抱き締めて、死ぬまで愛してくれたら十分でしょ! 他になにが要るっていうのよっっ」
肩で息を切らして。奥歯を食いしばった後・・・低く。
「・・・なんで一人で生きようとすんの。あたしを死ぬほど愛してるくせに・・・」
応(いら)えもなく息が詰まるような沈黙にあたしは半分、終わりだって観念した。
ユキちゃん・・・ごめん。
紗江、織江さん。もうここまでかも知れない。
「・・・・・・だからだよ」
遊佐の聴いたこともないような重い声に、はっとする。
恨みがましそうに歪んだ眸があたしを下から睨み据えてた。
「いつかオマエに捨てられるぐらいなら、無かった方がマシなんだよオレは」
自分の耳を疑った。
何を言われたのか、躰ごと思考回路が固まってた。呆然となって、言葉も出て来やしない。
「この先ナニをどうしたって、宮子のお荷物になるしかねーのに。どうやってオマエを繋ぎ止めておけるかなんて分かんねーだろが。守ってもやれない役立たずが、どのツラ下げて傍にいてやれんの? ・・・アホかテメーは」
吐き捨てるように言って、ありったけをぶつけ返されてた。
遊佐は悔しそうに。今にも泣きそうな顔だった。
ああそっか。って。
なんだかやっと。
ほんとのあんたに辿り着けたのかな・・・あたし。
ずっと苦しそうだった理由(ワケ)。
あたしを守り切れないって、それだけじゃなかったんだ。
あたしをシアワセに出来ないって。オレじゃダメだって。
ほんとは怖かったんだ。
これからどうなるか分からない自分が。
生まれ付いた何かだったら。受け容れて、その上で生きる強さが自然と根付くのかも知れない。
でも遊佐は二十三年生きてきて突然、今まで普通に在ったものを失った。
現実を受け止めるだけだって簡単じゃなかったハズなのに。あたしの前じゃ弱音ひとつ吐かなかった。・・・・・・吐かせてあげられなかった。
不安も怖れも、遊佐にぜんぶ抱え込ませて。自分のコトだけでいっぱいいっぱいで。分かってるつもりでなんにも。
「ごめん・・・・・・、あたし・・・」
思わず両腕を伸ばし、遊佐の頭を自分の胸元に抱き込んでた。
顔を背けて黙ったままの遊佐に、あたしは込み上がる悔しさを感情のままにぶつけ続けた。
「脚が動かなくなったって、あんたの為に生きられるってだけでシアワセなの。何もしてやれないってなにが? あんたがずっと、あたしの傍で笑ってくれて抱き締めて、死ぬまで愛してくれたら十分でしょ! 他になにが要るっていうのよっっ」
肩で息を切らして。奥歯を食いしばった後・・・低く。
「・・・なんで一人で生きようとすんの。あたしを死ぬほど愛してるくせに・・・」
応(いら)えもなく息が詰まるような沈黙にあたしは半分、終わりだって観念した。
ユキちゃん・・・ごめん。
紗江、織江さん。もうここまでかも知れない。
「・・・・・・だからだよ」
遊佐の聴いたこともないような重い声に、はっとする。
恨みがましそうに歪んだ眸があたしを下から睨み据えてた。
「いつかオマエに捨てられるぐらいなら、無かった方がマシなんだよオレは」
自分の耳を疑った。
何を言われたのか、躰ごと思考回路が固まってた。呆然となって、言葉も出て来やしない。
「この先ナニをどうしたって、宮子のお荷物になるしかねーのに。どうやってオマエを繋ぎ止めておけるかなんて分かんねーだろが。守ってもやれない役立たずが、どのツラ下げて傍にいてやれんの? ・・・アホかテメーは」
吐き捨てるように言って、ありったけをぶつけ返されてた。
遊佐は悔しそうに。今にも泣きそうな顔だった。
ああそっか。って。
なんだかやっと。
ほんとのあんたに辿り着けたのかな・・・あたし。
ずっと苦しそうだった理由(ワケ)。
あたしを守り切れないって、それだけじゃなかったんだ。
あたしをシアワセに出来ないって。オレじゃダメだって。
ほんとは怖かったんだ。
これからどうなるか分からない自分が。
生まれ付いた何かだったら。受け容れて、その上で生きる強さが自然と根付くのかも知れない。
でも遊佐は二十三年生きてきて突然、今まで普通に在ったものを失った。
現実を受け止めるだけだって簡単じゃなかったハズなのに。あたしの前じゃ弱音ひとつ吐かなかった。・・・・・・吐かせてあげられなかった。
不安も怖れも、遊佐にぜんぶ抱え込ませて。自分のコトだけでいっぱいいっぱいで。分かってるつもりでなんにも。
「ごめん・・・・・・、あたし・・・」
思わず両腕を伸ばし、遊佐の頭を自分の胸元に抱き込んでた。