愛は、つらぬく主義につき。
ホットプレートに、小ぶりな餃子をこれでもかって敷き詰めて焼くのが遊佐家の流儀。男の胃袋なら軽く二十、三十はいけると思う。
「仁は野菜もちゃんと食べなきゃ駄目よ?どうせ外食ばっかりなんだから」
瑤子ママは何だかんだ言いつつ、久しぶりに里帰りした仁兄の世話も焼いて。
「そりゃ宮子だろ?まともな料理が出来るとは思えねぇけどな」
「~~~っ、ちゃんと自炊してるもん!仁兄には言われたくない」
「お前より美味い飯が作れる自信はあるぞ?」
ビールを飲みながらほくそ笑まれた。
こうしてると、こないだのコトなんてまるで夢だったみたいで。あたし達は兄妹に戻って普通に軽口も叩き合えてた。
悪い冗談だったって、笑い飛ばせるならもうそれでいいよ。あの話はおしまい、聴かなかったコトにする。ねえ?仁兄。
色んなタレで味を変えたり、結構な個数を大人六人で平らげた。
「あーヤバイ。オレ重くなってるからー寝てる間に宮子ツブれるー」
「あんた食べ過ぎでしょ!胃薬飲む?」
「んー、もーちょっとしたら飲むー」
「ハイハイ」
酔いがいいカンジに回ってくると、遊佐はちょっと子供っぽくなる。ソコも可愛いんだけどね。
空いた食器を下げ、流しで洗い物を始める。少し動かないとあたしもお腹がキツイ。
「宮子冷たい水あるか」
「あ、うん。ちょっと待ってー」
仁兄の声に手を拭き振り返る。薄っすら赤みが差した顔。お酒は強いんだろうけど、どれだけ呑んでも全く顔に出ない哲っちゃんホドじゃあないかな。
冷えたミネラルウォーターを取り出そうと、背を向け大型冷蔵庫の扉に手をかけた途端。あたしの顔の脇にいきなり両手を付かれた。体温を感じるほどすぐ背後に仁兄。あたしは囲いの中。身動きが取れない。
「・・・どいて仁兄」
声だけ低く放つ。それでも冷静だった。リビングにはみんながいる。
「・・・・・・宮子」
後ろから耳許に顔が寄せられた気配。反射的に小さく躰がすくんだ。
「仁は野菜もちゃんと食べなきゃ駄目よ?どうせ外食ばっかりなんだから」
瑤子ママは何だかんだ言いつつ、久しぶりに里帰りした仁兄の世話も焼いて。
「そりゃ宮子だろ?まともな料理が出来るとは思えねぇけどな」
「~~~っ、ちゃんと自炊してるもん!仁兄には言われたくない」
「お前より美味い飯が作れる自信はあるぞ?」
ビールを飲みながらほくそ笑まれた。
こうしてると、こないだのコトなんてまるで夢だったみたいで。あたし達は兄妹に戻って普通に軽口も叩き合えてた。
悪い冗談だったって、笑い飛ばせるならもうそれでいいよ。あの話はおしまい、聴かなかったコトにする。ねえ?仁兄。
色んなタレで味を変えたり、結構な個数を大人六人で平らげた。
「あーヤバイ。オレ重くなってるからー寝てる間に宮子ツブれるー」
「あんた食べ過ぎでしょ!胃薬飲む?」
「んー、もーちょっとしたら飲むー」
「ハイハイ」
酔いがいいカンジに回ってくると、遊佐はちょっと子供っぽくなる。ソコも可愛いんだけどね。
空いた食器を下げ、流しで洗い物を始める。少し動かないとあたしもお腹がキツイ。
「宮子冷たい水あるか」
「あ、うん。ちょっと待ってー」
仁兄の声に手を拭き振り返る。薄っすら赤みが差した顔。お酒は強いんだろうけど、どれだけ呑んでも全く顔に出ない哲っちゃんホドじゃあないかな。
冷えたミネラルウォーターを取り出そうと、背を向け大型冷蔵庫の扉に手をかけた途端。あたしの顔の脇にいきなり両手を付かれた。体温を感じるほどすぐ背後に仁兄。あたしは囲いの中。身動きが取れない。
「・・・どいて仁兄」
声だけ低く放つ。それでも冷静だった。リビングにはみんながいる。
「・・・・・・宮子」
後ろから耳許に顔が寄せられた気配。反射的に小さく躰がすくんだ。