愛は、つらぬく主義につき。
『貴方たちは若いがゆえに経験も浅く、間違いや失敗を重ねるのは当然のことです。哲司さんも、茂之さんだって若い時は半端な未熟者でしたよ』
おばあちゃんは目を細め、懐かしさを漂わせた。
『自分が未熟であることを自覚したうえで、無理を強いるのでなく努力を重ねなさい。大きな変化を求めるのでなく、一段一段しっかりと階段を昇って行くように』
一言ひとことが深い音色を奏でて、あたしの中に響き渡ってた。
『宮子、貴女は家を出てごらんなさい。仕事を探して自立して、ひとりで何でも出来るようにならなければ到底、真さんの支えになぞなれやしませんからね』
あの時そう言ってくれたコト、今は本当に感謝してるの。
『真さんも、離れてみれば見えていなかったものが見えてくる事もあります。・・・支え合うことと甘えることは、似ているようで違いますよ』
あとは二人でお考えなさい、と背筋を張り、お抹茶をコクリと飲み干したおばあちゃんの口から、最後の最後に目を丸くするような発言が飛び出したんだっけ。
『それから真さん。脚の一本、自由が利かないくらいで惚れた女を抱けないようじゃ、極道者の端くれとも呼べませんよ。宮子も、女なら惚れた男に遠慮してどうします。その辺に転がして貴女が抱いておあげなさい』
元芸妓の不知火姉さん。一ツ橋組本部、会長の妻、臼井峰緒の気っ風の良さはさすがだった。
おばあちゃんは目を細め、懐かしさを漂わせた。
『自分が未熟であることを自覚したうえで、無理を強いるのでなく努力を重ねなさい。大きな変化を求めるのでなく、一段一段しっかりと階段を昇って行くように』
一言ひとことが深い音色を奏でて、あたしの中に響き渡ってた。
『宮子、貴女は家を出てごらんなさい。仕事を探して自立して、ひとりで何でも出来るようにならなければ到底、真さんの支えになぞなれやしませんからね』
あの時そう言ってくれたコト、今は本当に感謝してるの。
『真さんも、離れてみれば見えていなかったものが見えてくる事もあります。・・・支え合うことと甘えることは、似ているようで違いますよ』
あとは二人でお考えなさい、と背筋を張り、お抹茶をコクリと飲み干したおばあちゃんの口から、最後の最後に目を丸くするような発言が飛び出したんだっけ。
『それから真さん。脚の一本、自由が利かないくらいで惚れた女を抱けないようじゃ、極道者の端くれとも呼べませんよ。宮子も、女なら惚れた男に遠慮してどうします。その辺に転がして貴女が抱いておあげなさい』
元芸妓の不知火姉さん。一ツ橋組本部、会長の妻、臼井峰緒の気っ風の良さはさすがだった。