愛は、つらぬく主義につき。
5-1
「チヨちゃん誕生日おめでと~」

「ありがとぉ、ユキちゃんっ」

カウンター席でカクテルグラスを合わせて乾杯。 

「宮子おめでと」

隣りに座る遊佐からキスと紙袋。・・・うわ、Chloéのバッグ!思わず抱きつく。

「遊佐アイシテルっ」

「ハイハイ」

「榊は?」

その奥のでっかい男にも声かけると、ナンか飛んできた。

「ちょっ、投げないでよ、もうっ」

リボンのかかった水色の小さい箱。開けてみるとティファニーの定番、ハート型のトップのペンダント。

「榊も愛してるー」

「・・・・・・・・・」

横目で睨まれた。

今日、六月十二日は、あたしの二十五回目の誕生日。貸し切りってワケには行かないけど、亞莉栖でささやかに誕生日をお祝いしてもらってる最中だ。 

「ハイ。あたしからはバースデイケーキ!」

ユキちゃんが言って目の前に出してくれたのは、金箔の乗った芸術品みたいなザッハトルテ。しかもホール。

「おとといテレビで有名なパティシエさんのだって紹介してたから、チヨちゃんに食べさせたいなって思って。予約がいっぱいで三ヶ月待ちなんですってー」

ニコニコと。

三ヶ月待ちのケーキをどうやって手に入れたのかは・・・訊かない方がいいよね?きっと。
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