愛は、つらぬく主義につき。
「それでチヨちゃんはジン君と結婚するの?」
ひとしきり泣いたあたしの前にファジーネーブルが置かれ、ユキちゃんがさらりと核心をつく。
「・・・仁兄が嫌いとかじゃないよ。大事なお兄ちゃんで・・・尊敬もしてる」
あたしは言葉を選びながら。
「・・・でも仁兄は仁兄だから。遊佐の代わりなんて・・・誰もなんないもん」
ねぇ仁兄。
あたしが誰と結婚しても傍にいる・・・って。最期まで離れないって、あたしを守ることしか考えてない男を置き去りにして、どうして結婚できるって言うの?
心が千切れそうなくらい愛してる男がいる女を、仁兄は愛せるの。
「誰も幸せになれっこないよ、そんな結婚・・・」
眸を歪めてあたしは弱弱しく嗤った。
どんなに恨まれてもかまわない。仁兄はそう言ってた。あれは、遊佐が好きなままのあたしを引き離す覚悟で・・・って意味だった?あたしが仁兄を男として愛せなくてもそれでも?
心臓がリアルに締め付けられて痛い。痛くてもう捨てちゃいたい、臼井宮子なんか。
守られるためだけの人生なんて。そんなものの為に遊佐を、仁兄を、傷付けなきゃならないなんて。
「いなくなっちゃえば良いのかな、あたしが・・・」
考えれば考えるほど絶望に蝕まれる。暗い海の底にどんどん沈んでく。どんどん。
「駄目だよ、宮子お嬢」
ユキちゃんは男の顔であたしを静かに見据えてた。
「まだお嬢は何もしてない。真とちゃんと真正面からぶつかってない。仁ときちんと向き合って自分の気持ちを伝えてない。あきらめ方を間違うな」
ひとしきり泣いたあたしの前にファジーネーブルが置かれ、ユキちゃんがさらりと核心をつく。
「・・・仁兄が嫌いとかじゃないよ。大事なお兄ちゃんで・・・尊敬もしてる」
あたしは言葉を選びながら。
「・・・でも仁兄は仁兄だから。遊佐の代わりなんて・・・誰もなんないもん」
ねぇ仁兄。
あたしが誰と結婚しても傍にいる・・・って。最期まで離れないって、あたしを守ることしか考えてない男を置き去りにして、どうして結婚できるって言うの?
心が千切れそうなくらい愛してる男がいる女を、仁兄は愛せるの。
「誰も幸せになれっこないよ、そんな結婚・・・」
眸を歪めてあたしは弱弱しく嗤った。
どんなに恨まれてもかまわない。仁兄はそう言ってた。あれは、遊佐が好きなままのあたしを引き離す覚悟で・・・って意味だった?あたしが仁兄を男として愛せなくてもそれでも?
心臓がリアルに締め付けられて痛い。痛くてもう捨てちゃいたい、臼井宮子なんか。
守られるためだけの人生なんて。そんなものの為に遊佐を、仁兄を、傷付けなきゃならないなんて。
「いなくなっちゃえば良いのかな、あたしが・・・」
考えれば考えるほど絶望に蝕まれる。暗い海の底にどんどん沈んでく。どんどん。
「駄目だよ、宮子お嬢」
ユキちゃんは男の顔であたしを静かに見据えてた。
「まだお嬢は何もしてない。真とちゃんと真正面からぶつかってない。仁ときちんと向き合って自分の気持ちを伝えてない。あきらめ方を間違うな」