毒舌社長は甘い秘密を隠す
「――きっとお姫さまになれるよ。そしたら、僕がルナにあのお星さまをあげるね。
――レオは王子さまになるの?
にっこりと笑って頷いたレオが、本当に王子さまのように見えました」
うとうとしていると、社長が私を見て小さく笑って気がした。
「――ママに見つかる前に戻ろう。お星さまのことは僕とルナの秘密だからね。
――うん、秘密ね。おやすみ、レオ。また明日」
読み終わり、絵本が傍らに置かれた音がする。
「おやすみ、優羽」
その声だけで、とても優しく微笑んでいる彼が思い浮かぶ。
彼は、私の髪を撫でて額にキスをひとつ落とし、そっと抱きしめてくれた。
彼の胸に頬を寄せたら、鼓動の音がする。ずっとこのままでいられたらいいのに……。
他の誰にも、彼を渡したくない。
どうしたら、私を想ってくれるの?
温もりに包まれ、私はあっという間に眠りに落ちた。