シナリオ・レッスン
透の驚いた顔が、やがて照れくさそうに歪み、くしゃくしゃの笑顔になった。
こんなところは変わらない。子供の頃のままだ。

ああ、やっぱり私はこの男のことが、どうしようもなく好きなのだ。

いきなり引き寄せられ、抱き締められる。思いもよらず、動けなかった。

肩にしっかりと腕が回る。こめかみに唇の感触がして、

囁く。



「本日のところは、これにて幕」



終わり。
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