それでも、君のことが









いかにも不審者っぽい服装に、体が固まった。





「え………あ……」





声が震えて、上手く出せない。





次の瞬間、聞き覚えのある声がした。





「すいません、時間がないので失礼します」





私とは違う、凛とした声。





その声の主は、私の手首を掴んで男性から遠ざかっていった。







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