夢に手が届くまで
先生は少し考えると、バインダーの二枚目の真白い紙にスラスラと数式を書く。


"分からない"を"分からない"と言えることが難しいんだってことも、ここに来てから痛いほどわかった。



でも、分からないといえば先生は決まって違う説明をしてくれた。

わたしが落とし込みやすいように。


それは、今日も。


「これならどう?」


説明されながら先生の書いた式を目で追って、頭の中で整理する。



「あーーっ!分かった!」



書かれた恒等式の式を見てわたしは頭の中で整理ができた。



……そう、この瞬間がたまらなく好きなの。

頭の中で絡まっていた糸が1本になるような感覚のこの感じが。



分かると、スッキリして。

できると、楽しいじゃんってなって。

だから、もっとやりたいっていう気持ちになるんだと思うんだーー。



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