夢に手が届くまで
テスト週間もあっという間に終わり、もう早くもテスト返し。


数2も数Bも解けたけれど自信なんかまるでナシで。

今回のテストを通して、改めて実力不足を感じた。



次の二限に数2、そして四限に数Bが帰ってくる今日の時間割。

ああ……やだな。



そう思いながら席に着けばテストを片手に入ってきた数2の担当の先生。




ザワザワしていたみんなが、一気に静かになって席に着く。

後ろから2番目の私はドキドキしながらその光景を見ていた。



「返す前に、平均点32.9点。

この点数が何を表すか、わかるよね。」



チョークで黒板に平均点を書いていく、先生。

誰も言葉が出なかったんだと思う。



……平均32って、ほぼみんな赤点……?


赤点が40点からだから、平均がこれならみんな赤点ってこと……っ?



急に怖くなって涙が目に溜まる。

"テストが帰ってきたら報告に行きます"と、テスト前日に先生と約束したから、行かない訳には行かない。



いくら難しかったとはいえどもの平均点。


出席番号順に返された子の中には、泣いてる子もいて。



それが余計に怖かったーー。


< 20 / 55 >

この作品をシェア

pagetop