夢に手が届くまで
「佐伯〜」


テストをもらって、自分の席に着く。

周りに見えないようにソッとテストを開けば、45点の点数。



平均点は越えた、クラスでは確かにいいほうなのかもしれない。


でも、これっぽっちも納得なんかできなくて。




ずっと教えてくれていた先生に申し訳なくて。


みんなにバレないようにソっと涙を流す。



……怒られるんだろうな、先生に。

もう呆れられちうかな、見捨てられるかな。



そんなことを考えたら余計に泣けて、この時間が終わらなければいいのにって思ったの。



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