夢に手が届くまで
「よく頑張った」


「……ふぇっ?」


顔をあげれば、優しく満足気に微笑んだ先生。


思いもしなかった言葉にさらに涙が溢れたーー。



「よく頑張ったね、これは褒めようと思ってた。」



もっと貶してくれれば良かったのに。

いつもみたいに、毒舌口調で来てくれてよかったのに。



優しくする先生がずるいとさえも思えたのに、素直な褒め言葉は嬉しくて、胸にストンと落ちた。




「ちゃんと結果でたじゃん。俺こんなに点数取ると思ってなかったよ。」


「今日は優しい言葉かけてあげる。本当によく頑張ったね」



「うっ……ううっ……っ。」



怖くて、もう教えてもらないんじゃないかって勝手に思ってて。


でも、わたしは3週間くらいこの先生の何を見てきたんだろうって。




そんな先生じゃなかった。

わたしが思ってる以上に、松崎先生は優しい先生なのかも知れないーー。


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