夢に手が届くまで
四限の数Bのテント返却の時間。



ーーガラッ。


先生が入ってきたのと同時に、みんなが席に着く。


一言も、誰も話さなかった。



……平均点何点なんだろう。

数2みたいに30点台なのかな、



不安とドキドキでおかしくなりそうだった。



先生はさっきとは違って、ずっと硬い表情で。

だから余計に怖かったーー。




「平均点は60点だけど、俺これ納得してないよ。」




先生から目を逸らさず、一言一言受け止めるように聞く。




たしかに数Bの方がテストは易しかった。

でも、テストが始まって頭が真っ白になった。

それが表すのはまだまだ努力不足で。



……悔しいな、ほんとうに。



「中間までに問題集3回以上やった人さ手上げてごらん。」



先生の言葉に、手を挙げた人はわたしを含めてたったの3人。


人数を見るなり、先生はひとつ大きな息を吐いた。



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