夢に手が届くまで
「今回のテスト数2も数Bも平均点がやばかったじゃないですか」


「うん、そうやね。」


「だから、みんな勉強し始めて。

焦っちゃ、うんです。どのくらい努力すればみんなに追いつけるのかな、って。」


マイナスな発言をして俯きがちになった、わたしをみて先生はわたしに言った。


「戦う相手は自分でいいんだよ。」


そして、先生は続けて言ったんだ。



「本当は逃げたいんでしょ?全てから」

「……っ。」



先生の言葉は当たってて何も言えなかった。

まだたった何週間かしかやっていないのに、辛くて苦しくて逃げたいと思ってしまった。



先生の言葉を聞いた後、わたしは思っていることを全て話した。


遊びたいって思っちゃう自分に罪悪感しかないことや、どうしても楽な道を選びたいと思う自分に腹が立つことも。





先生は、わたしの話を聞き終えたあと「数2も数Bも俺が予想していた点数を、あなたははるかに超える結果を中間で出したんだよ。」



優しく語りかけるような口調に俯いていた顔を上げた。



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