夢に手が届くまで
たまに見せる優しがある先生だから、嫌いになれなくて。

むしろ、もっと好きが増していく。



そんな先生だからこそ、「見捨てられるのが怖いんです……っ。」そうやって、素直な気持ちを吐き出せたんだと思う。



「ふっ、あのさ勘違いしてない?」


「……えっ?」


「あなたが心折れて、"もういいや"とか"もう数学やらない"って言わない限り俺はあなたを見捨てたりなんかしないよ。」



先生の言葉を聞いた時に、また涙が溢れて。

もうわたしの涙を嫌という程見た先生はそれを見てまた笑う。



「中間までの成長は自信もっていい。」



先生の言葉に、胸に仕えていたものがスーッと溶けていくような感じがした。


どこか見捨てられることに怯えてて、怖くて。

でも、先生の言葉を聞いた途端安心したの。




だから、わたしは涙を脱ぐって先生に「ありがとう」と言った。



「元気でた?」



わたしの言葉に、優しく笑いながら言葉を繋げる先生にわたしは元気よく大きく頷いたーー。


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