夢に手が届くまで
楽しみだった体育祭も終え、ムードは期末テスト1色。


金曜日の四限は、数Bの時間。

ただ、来週の半ばからある期末テストに向けて自習時間だった。



「みんな、この問題解説して欲しいとかある〜?

数2でもいいよ」



問題集をパラパラめくりながら、松崎先生の声にみんなが反応して。


"41!"とか"39!"とか、いろんな声が飛び交う。




焦ってるのは、わたしだけじゃない。

そう思うと少しだけ心が楽になれる気がして。



「じゃあ、41から解説しようか。」



先生の言葉にわたしも41を見れば、それは今日の朝時間が無くて解説まででされず、放課後に聞こうとしてた問題。



……ありがたい。

授業中に解説されれば、放課後またひとつ聞ける問題が増える。


先生が黒板にチョークを走らせる様子を見て、わたしも集中してノートを取り始めた。



恒等式の応用問題や、組立除法がでてくる今回のテスト。

わたしは、相加・相乗平均がいちばん苦手で、いまはその解説中。




黒板の先生の説明は分かりやすいけど、みんなに説明するからわたしと1:1の時みたいには流石に崩してはくれなくて。


少しだけ"ん?"と止まることがあったけど、なんとかその問題はついて行くことが出来た。


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