桔梗の華 ~途中公開~
第一章
「止まれ神威っ…」
禍々しい空気にひんやりと冷たい風が
ある巫女と妖の間に吹き渡る
巫女の身体は血に染まっていた
目の前の妖_______神威
銀色の髪を靡かせその頭には耳がピクっと
「翠子…ふんっ俺を封印するってか」
2人の目には憎しみが込められている
「神威…何故、勾玉を返しなさい」
苦しみながらも力を振り絞り、神威に
封印の札を向ける。
「けっ、おい翠子俺はな~この勾玉で大妖怪になってやらぁ。封印なんかされてたまっかよ。」
神威という妖はその場から駆け出そうとする
「させぬっ!」
翠子が言霊を唱えると光り輝く粒が
札と共に、神威に目掛けて飛ぶ
「なっ。」
神威は避けきれずに札が貼り付き
光の縄が近くの御神木に神威を縛り付ける
「みど…り…こ」
神威の視界は翠子が倒れるとこで閉じた。
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