桔梗の華 ~途中公開~


「おぬし…その力…」

汗が止まらないおじいちゃん

「おぬしは未だかつて無い巫女の力を宿しておる。翠子以上…これは…」

翠子様より?
でも確か翠子様は最後の巫女として
かなりの実力者だと聞いたけど
私にそれ以上の力なんかあるわけない!


「名の意味を考えたか?」

ふうと腕で汗を吹くおじいちゃんは
横目に私を見やる

「ちょっと思い出そうとしたんだけど、思い出せなくて…」

「おぬしは…可哀想な巫女じゃのお」


可哀想?私が?
「ちょ、それって…」

どーゆ意味?と聞こうとしたら
金源の勾玉がガタガタと震えだした。

「ほう、このおなごを呼び出しておいて隠そうとするのか、よくわからんのう」


いや、私が1番分かりませんけど?!
震える勾玉はぴたっと止まり
おじいちゃんはまた口を開いた


「おぬしがここに呼ばれた意味を知ればおぬしはきっと…だが、名の意味を知り力の糧となれば勾玉は間違いなく封印できるであろう。」

「封印できるの?私に?」

意味を知ったら私はどうなるの
なんでそこは濁されるの……
[可哀想な巫女]

どうゆう事なの?

「ワシが見えるのはここまでじゃ!名の意味を知り力を解き放ち封印するがよい!じゃがおぬし自身強くならねばならんぞ」

私自身も強く?

「分かった…おじいちゃんありがとう」

大体は分かった。私がやるべき事
そしてその為にどうするかを……
可哀想だと言われる意味が分からなくても
私はやるべき事をやればいい

そうでしょ?おじいちゃん


「おぬしをかいかぶってたな。おぬしは強いかもしれぬな」

ふぉっふぉっと笑うおじいちゃん
そして私は神威たちが待ってるから
祠から外へ戻る






「あの半妖次第じゃな…」


それを切なげに見守る土地神様______
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