桔梗の華 ~途中公開~
「まだ来ないね…」
火を炊いて神威の帰りを待つ私たち
日も暮れ初めてきた。
「もうオイラ達といるのがいやになったのかの〜」
しゅんとしょげる帆に蘭丸はヨシヨシと
慰めている
「そうなのかな…」
神威が消えるなんて
きっと私のことが面倒くさくなったんだ。
寂しい…
「そんな泣きそうな顔しなさんな、可愛い顔が台無しだぜ」
凛丸は私の頭をポンポンと撫でる
「りん…まるぅ」
「うっ」
涙目に上目遣いの桔梗を見て
ドクドクと心臓が高鳴る
理性を抑えられず抱きしめてしまった
嫌がると思ったけど神威がいなくなった
ダメージがデカかったのか桔梗は黙ったまま
そんな2人に蘭丸と帆は
「オイラたちでがんばろう!」
「桔梗さん!泣かないで!」
ガバッと抱きついてきておかしな状況になった。
「神威がいなくても俺達が守る」
「そうじゃそうじゃ!神威なんぞ忘れよう!」
「そうですよ!僕達がいるじゃないですか!」
「だ〜れ〜の〜事を〜わすれるって?」
蘭丸と凛丸と帆はビクっと固まる
後ろにはかなり怒っている神威がいた
「おめーら勝手に話進めてんじゃねー!!」
案の定追いかけ回される3人を見て
すっかり涙は引っ込み冷めた顔で
その状況を見ていた。