桔梗の華 ~途中公開~
「え?ねえ!神威!その格好…」



桔梗と凛丸は驚いた顔で神威を見る
なんだ?と自分の変化に気づく
鋭い爪も普通の人間の爪に戻り
綺麗な銀髪も漆黒の黒髪になって
ピクピクしていた耳も無くなっていた。


「浄化された…俺の妖力が…」

神威は両手を見つめて呆然とする

「この山、ただもんじゃね〜てことだな」

凛丸は山の麓を見つめる

「人間の神威」

すごくカッコイイ…
いや妖怪の姿も好きだけど
目の前にいるのは今は普通の男の子

「身体が軽いけど不便だ。」

「もう具合はいいの?」

「あー、良くなった」

「そうかい、なら進めるな」

そうだ、早く行かなきゃ。
帆も蘭丸も待ってるんだから
でもやっぱり人間の神威にすごく
ドキドキする。

ちらっと見ると目が合う

きゅんと胸が鳴る

それを繰り返してると

「あいつこの浄化の霧に頭やられたか?」

「かもしんね〜な」

神威と凛丸がボソボソと話してるのも
耳に入らないくらい気持ちが浮ついている桔梗だった。
< 72 / 97 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop