桔梗の華 ~途中公開~

「凛丸って笑うと八重歯がむき出しになって可愛いよね!」

旅の途中で桔梗が他愛のない話をする

「わんちゃんのほうが八重歯目立つでしょ〜」

「んだごら!やんのか?」

「怒った〜?だって犬じゃんー」

「てめー!待ちやがれ!」

いつもの様に神威をからかって
逃げ回る。それを桔梗は呆れた顔で
俺たちを見る。でも楽しそうに笑うんだ

逃げ回り桔梗の背中に隠れる俺に

「凛丸の笑った顔好きなのに」

膨れた顔で歩き出す桔梗


その時の俺はきっと茹でたこみたいに
真っ赤だったと思う。



そして土地神の時も_______

俺達だけ結界に弾き飛ばされて
桔梗は引き込まれた。

その時の俺はまた大切な人が失うという感覚に襲われた…

俺は桔梗を鈴音と重ねてるのか?

そう考えた事もあった。

でも違う。

祠から出てきた桔梗を見てホッとした

桔梗は俺の前から消えない

俺が守らなくちゃいけないって。

闇雲の復讐は勿論。だがその闇雲が
狙っているのは桔梗だ

今度こそ俺は大切な人を守りたい


桔梗を守りたいんだ。

俺の恋心が報われなくても
守りたいと思った女を_______

俺が_______

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