桔梗の華 ~途中公開~


柏埜山を降りて近くの村にいる
蘭丸と帆の元へ戻ってきた私達

「どう?調子は?」

「だいぶ楽になったぞ!」

すっかり元気になった帆にホッとして
妖力の戻った神威はまた耳も髪も元通りに
でも村に戻った途端フラっと何処かへ消えた

また何も言わずに…


「またフラっと戻ってくるさ」

外を見つめる私に声を掛ける凛丸
「うん…」と返事はするけど
やっぱり気になる。

「オイラ達が村で待ってた間なにがあったんじゃ??」

帆は可愛らしい顔を向けて
あどけない表情で私と凛丸を見る
蘭丸も聞く体制に入る。


「私は埜鶴子様に私に眠る力の意味を教えてくれたわ。この金源の勾玉に封じられてたみたいで。」

「勾玉に?!」

過剰に反応した凛丸にびっくりして
話を続ける

「金源の勾玉は私の力に恐れて私の記憶と力を封じたみたいなの。」

「記憶と力?」

「うん、その記憶は埜鶴子様のお蔭で思い出せたんだけど。力はまだ分かんない、試してないし!」

「ほう…」

考え込むように腕を組む帆に
ふふっと吹き出してしまった。
可愛いすぎてね

「あれ?でも凛丸達は何を話してきたの?」

そう言えば私抜きで埜鶴子様に呼ばれて…
何があったんだろう。
それから神威の様子がまたおかしくなったし

「お、俺は大した事ね〜よ!」

珍しく同様する凛丸に私たちは
あ〜や〜し〜と迫る。
目をキョロキョロさせるから
余計に怪しい!

上手いように誤魔化されて
腑に落ちないけどこれ以上聞くのはやめた。


< 89 / 97 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop