お見合い結婚した夫が最近おかしい件
2章 新しい秘書は懐かしい人
私が動揺してしまったあの日から、高嶺さんとの関係に変化はない。もともと忙しくてすれ違い気味だったから、それが続いているだけである。
でも、あれからふと考えてしまうのだ。私たちはこのままでいいのかと。
結婚してもうすぐ1年経つのに、私は高嶺さんのことほとんど知らない。
強く愛し合っているわけでもない、政略結婚でもない。私たちがずっとこのまま夫婦である意味はあるのだろうか。
もし、夫婦でいたいのなら、私たちはこのままではいけないのかもしれない。
そんなことを思いながら1週間ほどたったある日、高嶺さんに話しかけられた。
「千里さん」
「はい。」
「明日、仕事を早く終わることはできますか?」
「明日ですか?大丈夫だと思いますけど、どうかしましたが?」
「実は、新しい秘書の方が決まったので、紹介したいんですけど。」
「あぁ。それなら、19時以降なら大丈夫だと思います。」
そうか、久美さんの後任の人が決まったんだなぁと考える。
高嶺さんは立場上、色々なパーティーなどに呼ばれることもある。そこでは夫婦同伴もあるわけで、高嶺さんの秘書となる人はそんなサポートもしてくれることになるので、面識があったほうがいいのだ。
前任である久美さんもそういった理由で紹介してもらった。
「では、千里さんの事務所の近くまで迎えに行ってもいいですか?」
「迎えですか?」
「はい。そこで秘書の方を紹介しますので、そのまま食事でもどうですか?」
「食事ですか?秘書さんもご一緒に?」
「いえ。食事は2人だけで。この間のリベンジということで。」
「リベンジ・・・」
「えぇ。この間はデリバリーのピザでしたから。もちろん、それも美味しかったですけど、たまには一緒に外食でもどうかと思って。」
「そうですね。たまには外で一緒に食べましょう。」
私が返事をすると、高嶺さんは笑って頷いた。
何事も無いように自室に帰った後、あわててクローゼットを開く。
最後に服を買ったのはいつだろう。正確にはプライベート用の服を。クローゼットには、The弁護士という感じのスーツが並んでいる。
仕事終わりに夫とディナーに相応しい服は・・・。
結局小一時間ほど悩んだ私は、いつものスーツはいつものにして、髪型とメイクをいつもより華やかにすることにした。
でも、あれからふと考えてしまうのだ。私たちはこのままでいいのかと。
結婚してもうすぐ1年経つのに、私は高嶺さんのことほとんど知らない。
強く愛し合っているわけでもない、政略結婚でもない。私たちがずっとこのまま夫婦である意味はあるのだろうか。
もし、夫婦でいたいのなら、私たちはこのままではいけないのかもしれない。
そんなことを思いながら1週間ほどたったある日、高嶺さんに話しかけられた。
「千里さん」
「はい。」
「明日、仕事を早く終わることはできますか?」
「明日ですか?大丈夫だと思いますけど、どうかしましたが?」
「実は、新しい秘書の方が決まったので、紹介したいんですけど。」
「あぁ。それなら、19時以降なら大丈夫だと思います。」
そうか、久美さんの後任の人が決まったんだなぁと考える。
高嶺さんは立場上、色々なパーティーなどに呼ばれることもある。そこでは夫婦同伴もあるわけで、高嶺さんの秘書となる人はそんなサポートもしてくれることになるので、面識があったほうがいいのだ。
前任である久美さんもそういった理由で紹介してもらった。
「では、千里さんの事務所の近くまで迎えに行ってもいいですか?」
「迎えですか?」
「はい。そこで秘書の方を紹介しますので、そのまま食事でもどうですか?」
「食事ですか?秘書さんもご一緒に?」
「いえ。食事は2人だけで。この間のリベンジということで。」
「リベンジ・・・」
「えぇ。この間はデリバリーのピザでしたから。もちろん、それも美味しかったですけど、たまには一緒に外食でもどうかと思って。」
「そうですね。たまには外で一緒に食べましょう。」
私が返事をすると、高嶺さんは笑って頷いた。
何事も無いように自室に帰った後、あわててクローゼットを開く。
最後に服を買ったのはいつだろう。正確にはプライベート用の服を。クローゼットには、The弁護士という感じのスーツが並んでいる。
仕事終わりに夫とディナーに相応しい服は・・・。
結局小一時間ほど悩んだ私は、いつものスーツはいつものにして、髪型とメイクをいつもより華やかにすることにした。