お見合い結婚した夫が最近おかしい件
「高嶺さんはどんな高校生でしたか?」


レストランについて、席に着いた後、そんな質問をしてみた。ちなみに料理はお任せのコースで予約済みである。


「高校時代ですか?そうですね・・・普通の高校生でしたよ。」


「普通って、具体的にどんなんですか?」


「具体的・・・どうしていきなりそんな質問するんです?」

「それは、知りたいからです。」


そういうと、高嶺さんは、少し驚いた顔をした。


そう、私は、今回の食事に目標を掲げたのだ。ずばり『高嶺さんのことをもっとよくわかるためにとにかく質問をしよう!!』である。

結婚する前にやれって感じもしないでもないが、今更言ってもしかたがない。


「僕の高校時代なんて、本当に何の面白いこともないんですけど・・・」

「確か、弓道部だったんですよね?」

「そうです。千里さんは、吹奏楽部でしたよね。」


「はい。フルートを吹いてました。弓道って、右利きと左利きは弓を引く腕が違うんですか?」

「いいえ。みんな同じ手で引きます。並んで引くので、引く腕が同じじゃなかったら向かい合わせになって危ないんです。あれは武器ですから。」


「なるほど。でもそれって左利きの人に不利じゃないんですか?」


「どうでしょうか。そもそも弓を引くと言う行為が日常生活にありませんから、初めから右で引いているとそんなに違和感もないみたいですしね。確かに多少はあるかもしれませんが、不利とまではいかないように思います。」



「へぇー。勉強は?すごいできそうですよね?」

すると、高嶺さんは少し困ったように笑った。


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