お見合い結婚した夫が最近おかしい件
「松井千里さん。」
「はい。」
「僕と結婚しませんか?」
「へ?」
「あなたにとって悪い話ではないはずです。失礼ですが、28歳といえば、そろそろ親や周りが結婚についてうるさくはありませんか?」
「まぁ。そうですね。」
親があまりにも勧めるので3回ほどお見合いをしたこともある。うまくはいかなかったけど。
「僕と結婚すれば、それに煩わされることもなくなります。僕のところは、兄に子どもがいるので両親に孫をせかされることもないでしょう。ももちろん、仕事に関してもです。話をお聞きしてる感じでは、千里さんは弁護士としても仕事に誇りとやりがいを感じていらっしゃる。それを辞めて欲しいだなんて決して言いません。」
最後の言葉に、私は兵藤さんをじっと見つめた。
そう。私のお見合いがうまくいかなかった最大の原因は私の仕事だ。
私の父の家は会社を経営しており、父は社長。そんな父が持ってくるお見合い相手は、どの人も家が会社を経営していて、次期社長になる予定の人ばかりだった。
そんな彼らが口をそろえて言うのは、『結婚したら仕事を辞めてほしい。』だった。結婚してすぐではなくても子どもができたらやめてほしい。と言われて、お見合いは破談になった。
私は今の仕事が好きだ。辞めるつもりはない。
「兵藤さんにメリットはありますか?」
確かに、仕事を辞めなくていいというのは私にとって良い条件だ。でも私と結婚するメリットが兵藤さんにあるのかが気になった。
「楽しかったから。」
「え?」
「あなたと過ごした時間が楽しかったから。僕にそれ以上の理由はありません。」
そんなことを言われるとは思っていなかった私は驚いた。
「確かに、楽しかったですね。」
「もちろん、お返事は後何度かお会いしてみてからで結構です。でも、僕は、きっと僕の気持ちは変わらないと思います。どうです?僕と結婚を前提におつきあいしませんか?」
「こんな私で良ければ・・・お受けします。」
気が付けばそう口にしていた。
そして、私たちは、数回デートを重ねた。ときめきはなかったかも知れないが、高嶺さんと過ごす時間は楽しかった。そうしてお見合いから数か月後、私は兵藤千里になった。
「はい。」
「僕と結婚しませんか?」
「へ?」
「あなたにとって悪い話ではないはずです。失礼ですが、28歳といえば、そろそろ親や周りが結婚についてうるさくはありませんか?」
「まぁ。そうですね。」
親があまりにも勧めるので3回ほどお見合いをしたこともある。うまくはいかなかったけど。
「僕と結婚すれば、それに煩わされることもなくなります。僕のところは、兄に子どもがいるので両親に孫をせかされることもないでしょう。ももちろん、仕事に関してもです。話をお聞きしてる感じでは、千里さんは弁護士としても仕事に誇りとやりがいを感じていらっしゃる。それを辞めて欲しいだなんて決して言いません。」
最後の言葉に、私は兵藤さんをじっと見つめた。
そう。私のお見合いがうまくいかなかった最大の原因は私の仕事だ。
私の父の家は会社を経営しており、父は社長。そんな父が持ってくるお見合い相手は、どの人も家が会社を経営していて、次期社長になる予定の人ばかりだった。
そんな彼らが口をそろえて言うのは、『結婚したら仕事を辞めてほしい。』だった。結婚してすぐではなくても子どもができたらやめてほしい。と言われて、お見合いは破談になった。
私は今の仕事が好きだ。辞めるつもりはない。
「兵藤さんにメリットはありますか?」
確かに、仕事を辞めなくていいというのは私にとって良い条件だ。でも私と結婚するメリットが兵藤さんにあるのかが気になった。
「楽しかったから。」
「え?」
「あなたと過ごした時間が楽しかったから。僕にそれ以上の理由はありません。」
そんなことを言われるとは思っていなかった私は驚いた。
「確かに、楽しかったですね。」
「もちろん、お返事は後何度かお会いしてみてからで結構です。でも、僕は、きっと僕の気持ちは変わらないと思います。どうです?僕と結婚を前提におつきあいしませんか?」
「こんな私で良ければ・・・お受けします。」
気が付けばそう口にしていた。
そして、私たちは、数回デートを重ねた。ときめきはなかったかも知れないが、高嶺さんと過ごす時間は楽しかった。そうしてお見合いから数か月後、私は兵藤千里になった。