愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~

ご飯はすでに用意されている。
心さんの料理って本当に美味しいんだよね。
ご飯やお酒が進むと、心さんと鈴木主任は程よく酔いながら楽しそうに話をしている。


「心さんは、どうして彼女いないの?」
「うわぁ、直球ですね」


心さんは、ケタケタと大きな口を開けて笑っている。そういえば、彼女くらいいてもおかしくなさそうなのに居ないという。


「別にたまたま居ないだけです」
「へぇ。あなたくらいの人なら明日にでもできそうなものだけど」


鈴木主任の台詞に同意して大きく首を縦に振っていると、心さんが私を振り返った。


「じゃぁ、里桜ちゃんに立候補しようかなぁ」
「げふっ」


飲んでいたビールを吹き出す。それを見て、心さんと鈴木主任はまた可笑しそうに笑っていた。
完全に酔っぱらいにからかわれている。





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