愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


「真紀が相手じゃぁ、俺に勝ち目はないからなぁ。諦めるしかないね」
「もう、冗談ばっかり」


苦笑すると、心さんはまたケタケタと大笑いした。
久々に会った心さんにすら、気が付かれていたのに自分は最近までこの気持ちを認めようとはしていなかったのだから、呆れてしまう。

そして、お酒がなくなった頃に解散することとなった。
鈴木主任は旦那さんに連絡して迎えに来てもらう。旦那さんは丁寧にお辞儀をして、鈴木主任を車に乗せて去っていった。穏やかな笑顔が似合う旦那さんだ。

そして、私は心さんにマンションまで送ってもらうことになった。


「すみません、わざわざ」
「いいんだよ。それが男の仕事ですから」


まだほろ酔い気分の心さんは、ヘラっと笑って頷いている。送ってもらっているところ申し訳ないが、心さんが1人でちゃんと帰れるかが心配になってしまう。


< 106 / 262 >

この作品をシェア

pagetop