愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


「今日は満月だね」
「え?」


その言葉につられて空を見上げてみると、綺麗な月が輝いていた。すると、心さんはいつもより声のトーンを落として言った。


「月が綺麗ですね」


……え?

顔をあげたとたん、心さんは「着いたよ」と足を止めた。
気がつくとマンションの門前まで来ていたようだ。


「じゃぁ、またねー」
「あ、はい。今日はありがとうございました」


そう言ってお礼を告げると心さんはニコニコしながら手を降り、来た道を戻っていった。


「ビックリした」








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