愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


心さんは、この前の鈴木主任とのご飯会で私の藤堂先生への気持ちを知っている。

だから、心配して連絡をくれたのだろうけれど残念ながらさらに心の傷が大きくなったような気がする。


「傷ついてたら、どうなんですか?」


ついキツイ口調になるが、心さんは至って穏やかだ。


『美味しいもの食べれば元気になるよ。開けて』
「開けて……?」


心さんがそう言った直後、インターホンが鳴った。もちろん、オートロックの方だ。
まさかと思い、「もしもし?」と出ると『里桜ちゃん、俺』と電話と同じ穏やかな声で心さんが答えた。


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