愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


それではダメなのだと頭の片隅でわかってはいたものの、仕事を増やす申し訳なさと自分がやった方が早いという気持ちがあり、その結果が今回のミスだ。
会場側の応対にもモデル事務所への謝罪と再依頼にも、鈴木主任が直接対応したのだろう。疲れた様子の鈴木主任に
ただ頭を下げて謝罪するしかなかった。


「大事にならなかったから良かったけど、一応課長には時間変更の件を兼ねて報告するからね。次からは気を付けて」
「はい。申し訳ありませんでした」


泣きたい気持ちを堪えて、小会議室を出ていく主任に頭を下げる。
パタンと閉まる音と共に顔をあげて、椅子に崩れるように座った。


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