愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
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あれから一週間後。
私は近くの喫茶店に心さんを呼び出した。前に藤堂先生と心さんとの三人でランチをした店。


「里桜ちゃん、ごめんね。待った?」
「いいえ、さっき来たところです。心さんも時間通りですよ」


通された席で待っていると、慌てたように心さんがやって来た。微かに薬品の匂いがして、ギリギリまで仕事していたのがわかる。


「どうしての、里桜ちゃんから連絡くれるなんて」
「はい。あの……」
「もしかして返事、もらえるのかな?」


空気を察してか、心さんが気遣わしげに聞いてきた。


「それなんですけれど」


一週間、よく考えた。
考えて考え抜いた結論。


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