愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
心さんは優しいし、私を思ってくれている。
そんな人とならきっと幸せになれるのかもしれない、そう思ったのだ。
いつまでも藤堂先生に想いを寄せていたところで、藤堂先生は私に振り向いてくれるわけではない。だって藤堂先生には麗香さんがいるのだから。
心さんと恋愛すれば、もう藤堂先生のことで傷つかなくてすむのだ。
「本当にいいの?」
「心さんこそ、いいんですか?」
「いいよ」
嬉しそうにクシャッとした笑顔に釣られて私も微笑んでいた。