愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
「ごめんね、誘っておきながら遅くなって」
「お疲れ様です。大丈夫ですよ」
研修だったからか、心さんはスーツを着ていた。スタイルが良いからよく似合う。
「里桜ちゃん?」
「あ、いいえ。なんでもないです」
ついボーッとしてしてしまい、笑顔で誤魔化す。頭を過ったのは、藤堂先生のスーツ姿だ。
バカみたい。心さんといるのに、藤堂先生のことを思い出してしまうなんて。最低だ。