愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


心さんと食事を終えて送ってもらった後、部屋で大きくため息をつく。
楽しく食事をして、なにもなくサヨナラした。付き合いだしたばかりだから、当然かもしれないがむしろ何かあった方がこの気持ちもスッキリするのではないだろうか。

楽な部屋着に着替えてから換気のために窓を開けた。
ガラガラっと開けて、ベランダに出て大きく息を吸い込む。胸がスッとする感じがした。


「どうしたもんかな」
「どうした?」


小さな一人の呟きは、突然拾われて驚きで反射的に仰け反った。


「ひゃぁ!」
「大きな声出すなよ、夜だぞ」


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