愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~



翌朝。


ベッドの上で大きく伸びをして、肩をグルグルと回す。
久々に、すっきり目が覚めた気がする。これも昨日の点滴とたっぷりの睡眠のお蔭だろう。体調も良く、身体も軽い。
カーテンを開けると春らしいよい天気で、それだけで気分が上がった。


「あ、急がなきゃ」


睡眠を取りすぎて、もうお昼を回っている。
私は慌てて身支度を整えて、1階にある藤堂クリニックへと向かった。
土曜日の診察は12時半までだ。今日のうちに昨日の支払いをしないと、平日の診察時間に来れるかわからない。
1階入り口ドアをくぐり、廊下の横に面してあるクリニックの自動ドアを開けると待合室には誰もいなかった。

時計は12時半を指しており、もしかしたらもう終わってしまったのかもしれない。


「こんにちは。今日はどうなさいましたか?」


どうしようかと不安に思っていると、受け付けの40代くらいの女性が笑顔で迎えてくれた。


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