愛されざかり～イジワル御曹司の目覚める独占欲～

17

心さんを見送ったあと、藤堂先生と今は二人で座って向き合っている。

気まずい。

ひとりでソワソワしていると、藤堂先生はまた私の手を握った。


「どうしてそうやって触ってくるんですか？」


ボソッと呟いた言葉は藤堂先生にしっかりと届いており、「うん？」と返事をされた。


「朝比奈に触りたいから」
「さすが、言うことが女たらしのセリフですね」
「もう違うって言ったろ」


そうだった。今は彼女がいるのだから、女たらしではない。


「麗香さん、良かったんですか？」
「麗香？ なんで」
「だって、私なんかと手を繋いでいるところ見られてしまって……。傷付いているかも」


目の前であんなことされたら辛いだろう。