愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
「俺は朝比奈が好きだから」
藤堂先生がサラッと言うもんだから、一瞬言葉を聞き逃しそうになった。
「え?」
ポカンとした気の抜けた間抜けな顔で藤堂先生を見る。
それに先生は吹き出して笑った。
「そんなびっくりしなくても良いだろう」
「え? だって、今なんて言いました?」
「だから、朝比奈が好きだって言ったんだよ。だから、麗香とやり直す気は更々ない」
好き?
藤堂先生が、私を?
「泣いてるぞ」
「泣いてません」
「いやいや、涙出てるって」
藤堂先生は微笑みながら私の頬に触れる。確かにいつの間にか涙が流れていた。