愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
「本当ですか? いつから?」
聞き返す声は微かに震えてしまった。
疑っているわけではないけれど、どこか不安に思ってしまう。私なんかを藤堂先生が好きになってくれるなんてって。
「比較的、最初から朝比奈のことは気に入ってた。会えば会うほど引かれていった。朝比奈はからかうなって言ったけど、触れたかったんだ。心と朝比奈が二人でいるのを見て、腹が立った。嫉妬した」
そう言って私のおでこと藤堂先生のおでこをコツンとくっつける。
「朝比奈に一番近い男は俺だと思ってた」
「なんですか、その自信は」
「全くだな。でもそう思っていたから、ふたりが付き合いだしたと聞いて凄く嫌だった。朝比奈も俺に気持ちが向いていると思っていたから、尚更ショックだった」
「それは……藤堂先生と麗香さんが付き合っていると思ったから……」
ボソッと呟くと「そうだよな。誤解させた俺が悪い」と頷いた。