愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
自分の頬を思いっきり殴ってしまいたかった。
「藤堂先生、私は最低な女です」
「なんで?」
「心さんの気持ちをもて遊んだから。あの時の自分を殴りたい」
「……じゃぁ、俺がやってやろうか」
藤堂先生は私の目を覗き混みながら聞いてくる。
それでも良いかもしれない。
「平手でお願いします」
唇を噛み締めると、ギュッと目をつむる。
藤堂先生の手が顎にかかり、顔をあげられた。