愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
残業もほどほどで家に帰って寛いでいると、藤堂先生から電話が入った。
『開けて』
開口一番にそういわれて玄関のインターホンが鳴る。
玄関を開けると予想通り藤堂先生が立っていた。
「ただいま」
「……おかえりなさい」
当たり前のように部屋に入ってくる藤堂先生に苦笑してしまった。それと同時に、今の会話についにやける。
「ご飯は食べました?」
「部屋で食べてきた」
そう言って、私の手を引いてラグマットの上に座る。そして、後ろから抱き締めてきた。
「はぁ、癒される」
「お疲れ様でした」
「里桜も、お疲れ」
サラッと名前で呼ばれてドキッする。どんな顔をしていいのかわからずに、前を向いてしまった。
後で藤堂先生が笑っているのがわかる。