愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
「それは院長に断ったから」
藤堂先生は私を抱き締める腕に力を込めた。
「麗香、いい加減にしろ。俺はお前じゃ無理だ」
そう言い切って、まだ何か話している電話をプチっと切った。
無言で藤堂先生を見上げていると、優しく微笑んで額にキスを落としてくる。
「大丈夫ですか?」
「あぁ。ちょっと麗香がしつこくてな。でも、心配ないから。俺にはお前だけだからさ」
そう言って私の不安を拭うようにしっかりと抱き締めてくれた。