愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


麗香さんに誘われて、駅の近くにあるカフェに入る。大きくはないが、仕切りはあるのでそこまで周りを気にしなくても大丈夫そうだ。

席について注文を取ると、麗香さんは口を開いた。


「私のことはご存知?」
「はい。藤堂先生の昔の同期で元カノだったと……」


そう告げると額に眉を寄せて不満そうな顔をする。


「そう、元カノね。今のところは」


そう言うと同時に注文したコーヒーが運ばれてきて、会話が止まる。
今のところはってどういうことだろう。


「貴女には、どのみち真紀とは別れてもらわないとならないわ」
「なぜですか?」


予想通りの言葉に静かに聞き返すと、その反応に面白くなさそうに片眉をあげた。



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