愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


「藤堂先生がそれを望んでいるとは思えません」
「望んでいるいないではないわ。もうこれは政略結婚のようなものなのよ」
「そんな……」
「私の父も真紀の父親も医学会ではそれなりに知名度は高いの。その子供たちが結婚したら、さらに私たちの地盤は強固となる。必要なことなのよ」


だから別れろと言うのか。
唇を噛むと麗香さんはフッと笑った。


「ただで真紀と別れろとは言わないわ。それなりに慰謝料は払いましょう」
「お金じゃないわ!」


つい声を荒げると、麗香さんは驚いたように少し身をひいた。


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