愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
「真紀さんが心臓外科に戻る戻らないは別にして。麗香さんとの結婚は親の力を借りずに自分で勝ち取るくらいの力を見せてください」
私はあえて上から目線のような言い方をした。麗香さんは医者で頭がとてもいい。そのぶん、お嬢様気質で我が儘で、なによりプライドが高いのではないだろうか。
だからわざとプライドを刺激する。
真紀さんへの気持ちは、麗香さん自信が自分でけりをつけなければならないと思うのだ。
「もういいわ! 馬鹿にしてっ。泣きを見るのは貴女のほうよっ」
そう言い捨ててカフェを出ていった。
窓から憤慨して迎えの車に乗り込んで去っていく姿を見てから、ハーッと息を吐いた。
身体に力が入っていたようで、一気に脱力する。
人にたいしてあんな風な言い方をしたのは初めてだ。自分で言っていても嫌な気分になる。
麗香さんからしたら、そうとうムカついただろうなぁ。