愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
「周りにそう言ってもらえるのは嬉しいけどな。でも、今の仕事の仕方は俺のやりたかったことなんだ。そこを諦めたくはない」
「そうですか。それでは、朝比奈さんとお会いするのはこれが最後になりそうですね」
「悪いが、そこも諦められない」
言外に別れろと言われるが、真紀さんは私の手を握って、篠原さんに鼻で笑った。
でも、私はその手を強く握り返せない。
だって、私がいることで真紀さんの夢は潰されてしまうかもしれないのだ。
そんなことはしたくない。
どうすればいい?
せっかく麗香さんのことが過ぎ去るかと思っていたのに、今度は強敵が現れてしまった。